京阪中書島駅から歩いて5分ほどのところにある、自家製無添加ベーグル専門店「Bagel Cafe Piggy」。ご夫婦でお店をされており、店主の中田祐子さんが考えた数十種類のベーグルが並び、地元のみなさんに愛されるお店です。伏見出身ではない、お二人がどのように伏見で暮らし、お店を営むに至ったのか、日々感じることなどを伺いました。

鳥取から伏見へ

建築事務所で働くご友人に「お店を持ちたい」と相談されたことがきっかけでとんとん拍子に話が決まっていきました。

「お店を持つなら、子どもたちの生活圏内でやりたかったんです。現在のお店が近々空き店舗になると聞き、友人に相談し、大家さんに繋いでもらい、借りることができました。いずれお店を持ちたいと考えていましたが、初めからベーグルのお店と決めていたわけではありませんでした」

お二人の出身は鳥取県。大阪の調理師専門学校に入学し、就職のタイミングで京都に移り住みました。当時は、全く土地勘がなかったため、当時の勤め先に通いやすく、家賃もちょうどよい気に入った物件があった伏見に、結婚当初から住んでいます。その後、お子さんが生まれるタイミングに家族で住めるところを探し始めました。その際は、保育園や学校などお子さんのこれからを考えながら、住居を探しました。

「今、住んでいるところは、子どもたちの保育園の近くです。子どもたちがこれから大きくなり、電車通学となったときに不便でないように、公共交通機関からも距離がないところを選びました。また、商店街も近くにあり、住みやすいだろうと思った点も今の住まいを選んだ理由の1つにあります」

4人のお子さんを育てる中田さんご夫妻。同じ保育園に延べ16年間、お世話になっているそうです。働く場所と住まいが近くにある環境だからこそのエピソードがあります。

中書島駅から商店街にほど近いPiggy。自転車で訪れる常連客も多い

毎日焼き立てベーグルが並ぶショーケース。一番人気はプレーン

子育てをしているからこそ感じること

Bagel Cafe Piggyの2階にはイートインスペースが設けられています。現在は予約制ですが、小さなお子さんと一緒に入りやすいお店にしたいという思いでつくられたスペースです。

「お店を始める前からイートインスペースを作りたいと思っていました。私自身も子どもと一緒にご飯を食べに行きますが、もっと伏見に家族でゆっくり過ごせる飲食店があるといいなと思っていました。」

広々とした空間に遊具や絵本など小さなお子さんが遊ぶことができるグッズがそろっています。

子育てをしながら、お店を営業されていて、お子さんの体調が悪いときはお店をお休みにしたり、2階のスペースで子どもを寝かせたりできるので、自営業ならではの柔軟な働き方があると話してくださいました。

「アルバイトでも、社員でも、自営業でも働くことの大変さは変わらないと思います。私は、子育てをしながら働く中で、子どもが熱を出したときに周りの人に謝り、仕事を休むことに対して申し訳なさがありました。今は、それがなくなったことで、働きやすくなりました。また、自分が作ったものを食べてもらうことが好きですし、次は何を作ろうかと考えることが楽しいです。自分のペースで働けるというのが自営業の楽しさでもあり、大変さでもありますね。」

広々としたスペースの2階イートインスペースには、小学生が楽しめるような漫画も

お店のお名前「PIGGY」は、おとぎ話「三びきのこぶた」から名付けられているそう

お客さんとの会話を通して、広がる世界

お店には、近所の常連さんも多く来られ、近くにできた新しいお店の情報をお客さんが教えてくださったり、ご友人を連れてきてくださったり、何気ない会話を楽しまれています。

「日中はお店を営み、それ以外は子育てをしているため、地域の方と交流する機会が少ないです。お客さんとさまざまな会話ができることもお店をしている楽しさの1つです。新作ベーグルの感想を教えてくださったり、最近は私のことを娘のように思ってくださっているという方もいらっしゃり、驚きと嬉しさがありました。」

 お店を再び訪れて「あのベーグル美味しかった」などの感想を伝えてくださるお客さんもいらっしゃいます。お二人は、お店に意見を伝えることが珍しく感じるそうで、また購入してくださる際に温かい言葉をかけてくださる方が多いのは伏見の土地柄なのでは、と楽しさを感じておられました。

ベーグルは、随時新作や季節限定が並びます。新作は、祐子さんが突然思いつき、作り始めることもあるそうです。また、ベーグルの種類が多いこともあり、初めてこられる方は「おすすめはなんですか?」と聞かれる方が多くいらっしゃいます。好みがあるので、一概には難しいと言いつつも、丁寧にそれぞれのベーグルを紹介しておられます。

 毎日、笑いが絶えないというBagel Cafe Piggy。祐子さんが幼いお子さんを連れて営業されていたり、高校生のお子さんが店頭に立つ日もあり、アットホームな雰囲気が魅力の1つです。今後は、予約制でなくてもランチを食べてもらえるよう、工夫をしていきたいと話してくださいました。

近くの児童館に通うお子さんがお迎えのお母さんと訪れる光景も

下記リンクより、Bagel Cafe Piggyのホームぺージをご覧いただけます。

Bagel Cafe Piggy